ガス会社によってガスの品質は違う?!都市ガスだけでも7種類ある!

ガス会社

都市ガスとLPガスの違い

家庭で使われているガスは、都市ガスとプロパンガス(LPガス)の2種類に分類されます。

都市ガスは石油系のガスであり、LPガスは石油ガスでも液化されています。
大手都市ガスでは「天然ガス」といっていますが、正式名称はメタンガスで、プロパンガスと同じパラフィン系の炭化水素です。

熱量は、大手都市ガスは11,000kcal/㎥でLPガスは24,000kcal/㎥と、LPガスの方が2倍以上高いものとなっています。
例えば、同じ量の状態で水を沸騰させるにしても、LPガスの方が早く大手都市ガスの方が長く時間がかかるというものなのです。

ただし、実際には大手都市ガスのコンロのガス穴は、LPガスよりも大きく設定する事でガスの量を増やしており、水を沸騰させる時間はそこまで変わりません。

さらに、メタンガスだけでは熱量が低いので、大手都市ガスではプロパンガスを混ぜて熱量を上げています。
両者は重さも異なり、大手都市ガスは空気よりも軽いのですが、LPガスは空気よりも重たいものとなっています。

原料・製造方法・発熱量によって異なる都市ガス

都市ガスは、原料や製造方法、発熱量などの違いにより7種類に分類されています。
さらに高カロリーガスと低カロリーガスとに分かれます。

高カロリーガス(種類) 熱量
13A 42~63MJ/㎥(10,000~15,000kcal/㎥)
12A 38~46MJ/㎥(9,000~11,000kcal/㎥)

 

低カロリーガス(種類) 熱量
L1(7C.6C.6B) 19~21MJ/㎥(4,500~5,000kcal/㎥)
6A 24~29MJ/㎥(5,800~7,000kcal/㎥)
5C 19~21MJ/㎥(4,500~5,000kcal/㎥)
L2(5B.5A.5AN) 19~21MJ/㎥(4,500~5,000kcal/㎥)
L3(4C.4B.4A) 15~19MJ/㎥(5,800~7,000kcal/㎥)

ガス会社によって異なるガス種

ガス会社によって使用するガス種は異なりますし、同じ会社とはいえ地域による違いからガスの品質が異なる事もあります。

最近では、省エネや地球温暖化の影響からも、天然ガスでも高カロリーガスの利用が増えており、13Aでの使用が主流となってきています。
次に多いのが、12Aといったところです。北海道ではLPガスも多く、中には北海道・長万部町水道ガス課の5Aや福島・相馬ガス株式会社の6Aなどもあります。

ちなみに、都市ガスと違いLPガスではほぼ同じ品質となっています。プロパンガス供給地域であれば、全国どこにいっても同じガス器具が使用できるので買い換える必要がないのです。

ガスの種類と特徴

ガス

ガスには、LNG(液化天然ガス)、天然ガス、LPG(液化石油ガス)、ナフサ、オフガス、石炭、石油重油とあり、それぞれに異なる特徴を持っています。

LNG(液化天然ガス) … 液化工場において、天然ガスから炭酸ガスや硫化水素、重質炭化水素などを精製除去してから‐162℃で液化したもの。国内で流通しているものは、海外産を液化し輸入されたものです。

天然ガス … 炭化水素を主成分にする可熱性ガス。国内では新潟県・秋田県・北海道・千葉県が産地となっています。

LPG(液化石油ガス) … 2種類あり、油田から原油・天然ガスと一緒に生産される天然LPGと、石油精製や石油化学工業で生産される副生LPGです。プロパンやブタンが主成分になっていることが多く、プロパンガスではそのまま供給しますが、ブタンは空気で薄めて供給もしくはガス化して供給しています。

ナフサ … 石油から精製された粗製ガソリン。都市ガスやガソリン、石油化学などに使われています。昔は石油系ガスには欠かせないものでしたが、今はLPGの補完的原料として使われています。

オフガス … 2種類あり、石油を精製する時に一緒にできるものと、石油化学工業でナフサを分解する時に一緒にできるものとがあります。不純物が少ないので、原料ガスとしてそのまま使っています。

石炭 … 石炭を800℃~1,000℃で過熱したもので、発揮部分がガスになります。昭和20年代頃までは主流でした。

石油重油 … 昭和30年~40年頃に一般的だった原料です。

天然ガスには在来型と非在来型とある

ガス種類

http://www.gas.or.jp/user/market/type/index.html

天然ガスには、在来型と非在来型とがあります。
在来型とは油田やガス田から生産される天然ガスのことで、それ以外の場所から生産された天然ガスを非在来型ガスといいます。

さらに、非在来型ガスにはタイトガス・シュールガス・コールヘッドメタン(炭層メタン)・メタンハイドレートに分けられます。

タイトガス … 在来型ガスがある地層よりも緻密な砂岩層にある天然ガス。

シュールガス … 天然ガスが生成される頁岩層内に滞留している天然ガス。

コールヘッドメタン … 石炭が生成される過程で発生・滞留した天然ガス。

メタンハイドレート … 水分子とメタンガス分子からなる氷状の物質。日本近海にあるといわれているものの、産業生産にまでは行きついていません。

非在来型天然ガスは、いままで回収が難しいと言われていましたが、近年の技術開発により効率的に採掘できるようになってきていると言われるようになった期待の天然ガスなのです。

今後の開発が期待されるシェールガス

シェールガスは、商業生産技術によって十数年前から採取できるようになりました。
膨大な量のシェールガスが採れると期待されています。
なぜなら、頁岩層内にほぼ均一に存在しておりハズレの確率は低いとされているからです。

ただ、浸透率が低いので回収できる量が少なく、経済的にはマイナスになるリスクもあります。
今後は、どれだけ効率的に回収できるかが開発ポイントとなっています。

日本で使われている天然ガスの生産地は?

天然ガスは輸出入には、パイプラインで直接ガスを送る方法と、天然ガスを液化して巨大タンカーで運ぶ方法とがあります。
日本で利用されている天然ガスは海外からのものが多く、近年では国内消費量も増加しています。

輸入先としては、オーストラリアやカタール、マレーシアが多く、他にもロシアやアラブ首長国連邦、インドネシア、ナイジュリア、ブルネイ、パプアニューギニア、オマーンなどからも輸入しています。
今後はシェールガス革命によって生産量が増えているアメリカなどからの輸入も増えそうです。

適応したガス機器を使う

ガス
ガス機器は、適応するガスの種類にあったものを使わなければなりません。

ガス機器に貼られているステッカーに種類が記載されているので、それを確認します。
ステッカーには、適応するガスの種類以外にも、ガス機器の型式やガス消費量、製造年月、製造番号、メーカー名なども記載されています。
ちなみに、ガスの種類が合わない場合は、調整作業をして使えるようにすることもできます。

適応外のものを使うと火災や不完全燃焼などの発生リスクが高くなり、正常な燃焼をされなかったことで有毒な一酸化炭素(CO)が発生し、中毒などを引き起こします。
頭痛や吐き気、気持ち悪さといった症状があらわれ、最悪死亡事故になることもあるのです。

2017年4月から始まるガス自由化

2016年4月に電力自由化がスタートしましたが、2017年4月から都市ガスが自由化されます。

これまでは、地域によって決められた都市ガス会社としか契約する事ができませんでしたが、電気と同じく自由に選べるようになります。

ただ、これまでとは違うガス会社を選んだとしても使用するガス管は同じですから、新たに何か工事をしなければいけないといったことはありません。

異業種からの参入も予想されるガス自由化

LPガスは民間会社が取り扱っているものなので、そもそも自由競争です。都市ガスは公共物として決められていたのが、2017年4月から自由に選べるようになるのです。

このことから、LPガス会社が都市ガスを販売する可能性もありますし、電力会社がガスも販売するようになるかもしれないなど、より消費者の選択肢が増える事が予想されています。

ガスと一言にいっても、その種類や品質はさまざまです。
ガス会社が同じでも地域の違いで別腫のガスを使っていることもあるのですから、自分の家で使われているガスの種類は知っておきたいものです。

どのようなガスを使っているのか、その品質について知っておくと、より適したガスの利用はもちろん、安心して使えます。

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